「おはようございます。父さん、朝ですよ?起きてください」

「はっ!?」

目が覚めると、可愛らしい顔が俺を覗き込んでいた。


須王家の食卓 - 前編 -


「・・・・」

俺の名前は須王環。

由緒ある須王家の一人息子にして、跡取りだ。

名門桜蘭学院に通い、人は俺をキングと呼ぶ。

「・・・・は、ハルヒか?」

そして、ある日の朝、

俺の顔を覗き込んでいたのは、俺の可愛い後輩、

藤岡ハルヒだった。

「お前・・・・、なんでこんな所に・・・」

「・・・何、寝ぼけてるんですか。朝です、起きてください」

ハルヒは呆れた様子でそう言って、俺の布団を引っぺがして、ばしばしとはたく。

あぁ!高級羽毛布団をそんなに乱暴にあつかっちゃぁ!

と言おうと俺はハルヒの手から布団を取ろうとした。

が。

違う。

どう考えても俺の布団じゃない。

もっと・・・、薄くてぺらぺらの・・・

そう、いわゆる庶民の布団!!!

「!!?」

まさか、と思い急いで俺はさっきまで自分が寝ていたベッドを振り返る。

が。ベッドじゃない。あれだ。

敷布団ってやつだ。

「ッ!!!!???」

俺は初めて見る庶民の寝具にしばし感動・・・じゃなくて!!


どこだ、ここは!?


はっ。大体なんでハルヒがこんなとこに・・・。

と、俺はハルヒを振り返る。

その瞬間。


ブハッ


「「うわっ!」」

見る見るシーツが真っ赤に染まる。俺の鼻血。

「ど、どうしたんですか!」

慌てて、ハルヒが俺の鼻にティッシュをあてがう。

俺は鼻血が悪化しないよう、ハルヒから目をそらす。

なぜなら、ハルヒのいまの格好・・・。

長い髪にエプロン(ふりふりではない)!!!

「と、止まりましたね。大丈夫ですか?」

ハルヒが心配そうに俺の顔を見上げてくる。可愛い・・・・。

「は?」

ハルヒが怪訝そうにこっちを見る。どうやら声にだしてしまっていたらしい。

「とにかく、もう朝ご飯ですから早く着換えてくださいね?」

と、ハルヒは部屋を出ようとする。

いや・・・・、つーかどこなんだ、ここは・・・?

ハルヒがいるのはいいとして、どう考えても俺の家じゃない。

とりあえず、どこかの庶民の家だろう。

と、すると夢か・・・?ありきたりだが頬をつねってみる。

痛い。夢ではない。

・・・。まあいい。このさい、成り行きに身を任せることにする。

こんな考えが俺の中で一瞬にして駆け巡る。

伊達に桜蘭Aクラスはやってない(自分で言う人)

・・・待てよ? 

今のハルヒ・・・・、女の子・・・

エプロン・・・この家に二人きり・・・


新婚さん!?


「・・・は?父さん?」

ドアから出たところでハルヒが立ち止まってこっちを見る。

また、声にしてしまっていたらしい。

父さん・・・て事は新婚さんではないらしい(チッ

よく見ると、ハルヒはエプロンの下にセーラー服を着ている。

どうやら、ハルヒは俺の娘らしい。

「・・・とにかく、母さんも待ってますし早く着替えてきてください」

そう言い残してハルヒは俺の部屋(らしきもの)から出て行く。

母さん?いるのか!?誰なんだ・・・・。

(・・・奴か!?)

俺は沸いてくるイヤな予感を考えないようにし、

着るべきものを探した。





「これか・・・・?」

俺は、部屋中を探して一着のスーツを見つけ出した。

サイズはぴったりだが、よれよれした疲れた灰色のスーツ。

「し、庶民のスーツ!!!」

着てみると、意外に着心地はいい。

「うむ、何を着ても似合うな」

俺は壁にかかっている鏡に向かって呟く。

自分で言うのもなんだが、庶民のスーツでも様になる。

「さて、行くか」

俺は、上機嫌で部屋を出て行こうとした。

「あてっ」

ゴチッと俺は廊下の天井で頭をぶつけてしまった。

天井が低い・・・・。

でも、まぁ気にせず俺は居間に向かう。

・・・・・・・。

どこにあるんだ?



 後編→
author : どらどらさん

Comment(前編)
・・・。笑えないギャグです。
しかも続きますよ。すいません・・・。
殿視点難しいです。
すいません・・・・・。
鼻血とか・・・。
存分に呆れて下さい。
以上、苦しい言い訳でした。


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