ハルヒたちがついたときには、もう第3音楽室は、ごったがえしていた。 「ほらハルヒ、こんどはこの服着て!」 ズラとメイクをとったハルヒは、次に黒のタキシードを渡された。 「お客さんがまってるよー。」 花の学園祭 後編 「きゃーハルヒ君かわい〜v」 タキシードを着ての第一声。 「そ、そうですか・・・?」 女子は一同うなずく。 「ハルヒ、ご指名だ。」 鏡夜がハルヒを呼ぶ。 「はい、鏡夜先輩。」 「環様?つかぬことをお聞きしてよいですか?」 ドレス姿の接客相手は、そう尋ねてきた。 「なんだい姫?」 「中庭での少女は、いったい誰ですの?」 環はふふっと笑う。 「なんだ。そんなことか。あの子は他校からエキストラとして来てもらったんだよ。」 内心やばいなと思いながら、ポーカーフェイスで姫にいう。 「なんだ。そうでしたのv」 2回やった宣伝のおかげで、ホスト部は大繁盛。そのかわりに休みが少なく、大変だ。 「ふぅー。」 やっととれた休み時間は、たった30分だった。 「つーかれたー。」 ハルヒはソファにすわる。服はもう1回宣伝しに行ったときのままの、パーティードレスだ。息をつくのもつかの間。 すぐに呼び止められた。 「ハルヒ、ちょっとこれをもってってくれるか?」 環に大量のゴミ袋をわたされて、さらに目の前が暗くなる。 「はい。」 そう答えたとたん、急に体が重たくなり、いうことを利かなくなった。 「ハルヒ!?」 環がたおれたハルヒをささえこむ。 「殿が悪いんだ。ハルヒに無理なことさせるから!責任持てよ。」 光が怒る。 「う・・・」 環は言葉に詰まる。 ここは1階の保健室。先生によると疲労らしい。 「きっと殿は嫌われるな。だって無理なことさせたんだもん。」 馨が言う。 「ヴ・・・。(ぐさっ)」 ぱち。 いきなりハルヒが目を開けた。 「あ・・・?そうだ。荷物をもったら斃れちゃったんだ・・・。」 「ハルヒィ!!」 双子がハルヒを抱きしめる。 「大丈夫かい?ハルヒ。殿に無理なことさせられて・・。」 「可哀想に・・・。殿なんかサイテ―だね。」 2人の追い討ちプレイが、環にささる。 「はぁ・・・。で、今何時です?」 外はもう暗い。どでかい運動場で、何かが読み上げられている。 「6時だよ。もうすぐ校庭で後夜祭が。」 「そうそう。ハルヒのおかげで、最優秀賞に輝けたよ。人気投票一位v」 光と馨は言う。 「最優秀賞?」 ハルヒは尋ねる。 「それになると部費が2倍になるんだ。」 鏡夜が言う。 「ふーん。」 「そうだハルヒ!」 落ち込んでいた環が、ハルヒにケーキを手渡す。 「2年B組のショートケーキだ。食べるか?」 「うん。」 ハルヒはにっこり笑う。 (「『かわいいな・・・・v』」) 保健室にいる、環・光・馨は、そう思った。(ちなみに鏡夜がどう思ったかは謎。) そして数分後。 すっかりケーキを食べ終えたハルヒは、ベットからおりた。 「もう大丈夫です。心配おかけしました。」 ぺこりと頭をさげる。 そのとき、急に保健室のドアが開いた。 「ハルちゃん!タマちゃん!!」 ハニーとモリが、なにやら新聞のようなものを持ってきた。 「これみてこれ!!」 それをばっと広げる。 「え・・・?なになに・・・?」 それにはこう書いてあった。 「ホスト部の王子、須王環、美少女とウウェディング!?」 「いったい彼女は何者か!?恋人!?愛人!?」 そして特大の、ハルヒと環の密着ラブラブ写真。 沈黙・・・。 環は写真を見ていると、あのことを思い出していた。耳のそばに胸があるわけだから、ぎゅっと密着すると、心臓の音が聞こえる。 ハルヒも思い出して、少し顔を赤らめた。 「うかつだったな・・・。」 鏡夜が言う。 「新聞部がいるのを忘れていた・・・。」 そのとき外から、こんな音が聞こえてきた。 「ええーと・・・・。あ、はい。開会式のあと、須王くんと一緒にいた、美少女さん。おりましたら須王くんといっしょにグラウンドへ出てきてください。」 またもや沈黙。 「行ったほうがいいですか?」 ハルヒはみんなに聞く。 「そうだな・・・。よし・・・。」 「「「『「いってこい!(全員)」』」」」 そういわれ、環とハルヒは、運動場へ出て行った。 「あの・・・来ましたけど・・・?」 台の上にたっている人に、ハルヒは言う。 「わかりました。」 丸いめがねをかけた人物はうなずく。 「それではただいまから、後夜祭を行います。フォークダンスができるよう、ファイアーストームの周りに集まってください。」 校庭には、いつのまにかファイアーストームが。 「「ど、どういうことだ?」」 2人とも眼が点になっている。 だんだん人が、集まってくる。 「それでは投票で1位に選ばれました、ベスト・カップル、須王さんたち、真ん中へどうぞ。」 ハルヒは眼が点になる。環は意味がわかったようだ。 「どうする?ハルヒ?」 「えっ?どうするって・・・?」 環はにっこりわらっていう。 「俺はべつにいいんだけど。」 一間おいてから、 「それじゃいきますか!」 ハルヒも負けないぐらいの笑顔で、環の手をとった。 幸せな2人に乾杯! 窓の外をみていた馨は、急に言った。 「ベストカップルに選ばせたの、鏡夜先輩でしょ。」 馨が鏡夜に尋ねた。 うなずく鏡夜。 「もちろん後で、してもらうことはしてもらうよ。」 悪代官が似合いすぎる笑みを、鏡夜はする。 『でもハルちゃんも、しあわせそーだねー。』 そういったハニーに、全員声を合わせて、 「ごもっともで。」 と、言った。 余談ですが、次の桜蘭新聞は、謎の美少女でもちきりだったとか・・・。 - 終 - author : 満桜さん
Comment ターボ全快で、書きました。書いた自分でも、にやけてしまうぐらいの、ラブラブな2人ですv これ以上行くと、桜ホスではなくなるほど、ラブラブにしてみました。読んでくださって、ありがとう!! |
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