目指せNo.1☆ - 2 -


ホスト部部長をかけた
「ホスト部キング争奪戦」
が、本日幕を開けた。

いつもよりも気合いの入った部員達。
少し異常とも言える。
ガチャッ
一人目のお客がやってきた。
『いらっしゃいませ』
美麗男子達が出迎えた(約一名は女だが)。
「どなたをご指名で?」
境夜が営業スマイルで、お客の女生徒に言った。
「あ…いつも通り環く」
この女生徒は、環の常連らしい。
そして今日もいつも通り指名を
しようとした。
しかし
『お嬢さん、僕達にしない?』
常陸院兄弟がそれを止めた。
いつもなら横取りは(あまり)しないが、
今日はそうゆう訳にはいかない。
双子は部長がもつ衣裳決定権が欲しいのだ。
「僕達、今日はあなたと話したいなぁ」
「お嬢さん…どう?」
『サービスするよ』
右を見ても左を見ても同じ顔。
しかも美形。
両サイドからささやかれ、女生徒は赤面した。
そして思わず…
「はっハイ!」
言ってしまった。
言われてしまった環はショックで呆然としている。
「ひ…姫…?」
「ごめんなさい環くん!
今日は私、光くんと馨くんを指名するわ…」
と、目をそらし気味で歩いていった。
双子はにやりと環の方へ振り返って一言。
『バカ殿〜』
環はショックで真っ白になった。
「…大丈夫ですか?先輩」
「ハ…ハルヒぃ〜」
環は半泣き寸前だ。
(この人は一日に何回泣けるんだ、一体)
さっきも半泣きだったのに
また半泣きになる環を見てハルヒは思った。
ガチャ
またお客が来たようだ。
『いらっしゃいませ』
環はスッと何もなかったかのように立ち上がった。
ハルヒは、
この人はよくわからない人だなぁ…
理解しようとも思わないけど
と思った。
どうやらまたもや環の客だったらしい。
「姫…久しぶりですね!今日もこの私を」
ご指名ですよね
と言おうとした所で…
ベチン!!
ハニーが転んだ。
「大丈夫ですか!?ハニー先輩!」
女生徒がハニーに手を差し伸べた。
「痛いよ〜ぅ」
ハニーが涙目で女生徒を見上げた。
どきん
あまりのハニーの可愛らしさに女生徒はときめいた。
「でも、麗奈ちゃんが今日
ぼくと遊んでくれるなら我慢するっ!」
ハニーが涙をぬぐった。
麗奈とは、この女生徒の名前らしい。
ホスト部の常連で覚えてたのであろう。
これで遊ばないとは言えるはずがない。
「わかったわハニー先輩!
今日は宜しくお願いします!!」
と、言うことは…
「ひ…姫??」
またまたショックな環の前に、
鏡夜が出てきてにこりと一言。
「じゃあお客様。今日は
ハニー先輩をご指名で
よろしいんですね?」
「はい!環先輩ごめんなさいっ!」
ガガガガーン!!!
環、チョウショック。
双子だけならず、いとも簡単に
ハニー先輩にも客をとられた。
必然的にモリ先輩も一緒に指名された。
「あの〜…」
ハルヒが口を開いた。
「なんだハルヒ?」
落ち込みすぎてそれどころではない環をよそに
鏡夜が答えた。
「光と馨も、ハニー先輩とモリ先輩も、
コンビみたいなもんじゃないですか。
そーゆー場合ってどっちが部長になるんでしょうねぇ。」
「どっちもじゃないか?」
…部長が二人…
ハニー先輩達ならまだしも、光と馨がなったら
絶対遊ばれる!!!
自分が頑張らねば…とハルヒは強く思った。

そうして、一日目の争奪戦が幕を閉じた。
あのあとハルヒも何名かに指名をもらった。
みんな同じくらいの指名数だった。
と、言うことはもちろん環ももらってはいた。
しかし、いつも飛びぬけて指名を大量に受けている。
みんなと同じくらいなんて大事件もいいとこだ。
ショックで隅っこに小さくなっている環…。
「先輩…」
ハルヒが声をかけた。
(俺に優しいのはハルヒだけだぁ!)
と、ハルヒの優しい声に振り向いた。
が。
「邪魔くさいんでもう帰ってもらえますか?」
さわやかに。すっぱりと。言った。
環はお先真っ暗闇だ。


   3→
author : あさみさん

Comment
早速争奪戦が始まりました〜。
なんだか環においしい役がちっとも回ってきませんね(笑)
ハルヒがすっぱりと、ざっくりと環にひどい言葉を言うのが
かなり好きですvvv(笑)
これからも言わせたいなぁ…(可愛そうな環 笑)

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