目指せNo.1☆ - 3 - ホスト部キング争奪戦が幕を開けてから数日がたった。 ホスト部では客の奪い合いが繰り広げられていた。 奪うと言うことは、あるものからとっていると言うことで… 指名率がだんとつトップだった環はとられる一方。 ショックで落ち込み、よけいに客を奪われてしまっているのだ。 あと今日をいれて二日しかない。 指名数は今、双子が一位だ。環は二位でハニー&モリとハルヒと境夜は同じくらいだ。 双子はあらゆる手段を使って環の客を奪っている。(現在進行形) このままでは本当に双子が部長になってしまう…。 環が危機を感じている一方で、ハルヒも危機を感じていた。 このままでは双子のおもちゃにされてしまう。 二人のおもちゃ…着せ替え人形… 絶対に嫌だ!!!! しかし自分ではキングは無理なような気がしてきた。 今日また客がやってきたようだ… 『いらっしゃいませ』みんなで迎えた。 (暗く落ち込んでる環を除き) 「どなたをご指名で?」 この客は双子が環から奪った客である。 また双子を指名しようとしていた。 ずっと暗くなりすみに座っていた(ハルヒに邪魔くさいと言われ移動)環が、 スッと立った。 どうやら、このままじゃ駄目だとやる気が出てきたらしい。 しかしあまりにすみへ行きすぎて誰にも気付かれなかった。 「諸君!!」 焦った環が叫んだ。 みんな一斉に環の方を見た。 「今まですまなかったっ…ちょっと色々あって落ち込んでしまい… もしよければ君たちの麗しき姿と声で僕を癒してはくれないかい姫達…」 まったくもって恥ずかしい台詞を環は潤んだ瞳で言った。 もちろん女生徒はイチコロ☆トキメキを隠せず環を指名。 現キングの本領発揮といったところであろう。 「チェッ!せっかく殿が落ち込んでるうちにもっとお客もらおうと思ったのに。」 「でもこんだけ客をとったんだし、まだまだいけるよ!」 双子が言った。 (あんなに落ち込んでたのにどうしたんだろう…) あの環を見てハルヒも思った。 その日の環はいつもよりも頑張っていた。 いつもより恥ずかしくなるような台詞を言い女子をメロメロにしていた。 今日の指名数…だんとつ環が一位だ。 ついでといっちゃあなんだが、今日の環の名言集↓ ・ 「君たちの麗しき声で癒してはくれないかい姫達…」 ・ 「昨日貴女が僕の夢にでてきました。願わくば、どうか夢の続きを…☆(謎)」 ・ 「あぁっ!眩しい!!どうかその光で僕の心を照らしてください(謎MAX☆)」 その他いろいろ…。 もちろんどこでそんな演技覚えてきたの? と聞きたくなるような演技付きだ。 放課後。なぜか、環とハルヒの二人だけで後片付けをしていた。 みんな用事があると帰ってしまったのだ。 「環先輩」 ハルヒが環に声をかけた。 「ハルヒ…」 振り向いたが、すぐに目をそらした。 「えっ…どうしたんですか?」 気まずそうな顔をする環にハルヒは問いかけた。 「…このままじゃ双子にキングの座を奪われてしまうな…。」 「はぁ。」 ハルヒが重い返事をした。 このままでは双子の着せ替え人形同然にされてしまうのだから、当然だ。 「俺は今までキングに誇りをもっていたつもりだ。 なのに、あいつらが本気で取り掛かった途端に客も取られる始末。 あまつさえハルヒまで巻き込むなんて…合わせる顔がない。」 今日のあの元気は空元気だったかのように、環は深く落ち込んだ。 (というかこの部にいること自体があなたのせいなんですが) という思いを、ハルヒは隠した。 ここで言ったらさすがに可愛そうだと思ったのだ。 「先輩は…すごいと思いますよ?」 「ハルヒ…慰めなんて…」 「だって、ホスト部から帰ったお客様はみんな笑顔で帰ります。 そしてまた、笑顔で来てくれます。 ホスト部が笑顔を与えてくれる場所な人がたくさんいると思います。 そのホスト部で先輩は…今までキングだったんですよ? 自身を持っていいと思います。」 ハルヒが笑顔で言った。 「ハルヒ…っ。でも明日だけじゃぁ…。」 ハルヒの予想外の言葉が、環にとってはとても嬉しかった。 そして最後に見せた笑顔は環の鼓動を速めた。 でも、本当に明日だけ。 どうすればよいのかがわからない。 「ではこうしませんか?」 ハルヒが提案した。 「え?」 「二人でやるんです。光と馨や三年生達のように。」 他の人たちもやっていることだ。可能なことだろう。 しかし… 「しかしそれではハルヒの借金減額が無くなるのではないか!?」 そうだ。 鏡夜とのはじめの約束は、「一人で一位」。 二人ではきっと無効にされるだろう。 「いいんです。一人で一位なんて無理のようですし。 あ!もちろん部長の座もいりません。 ただし…」 「ん?」 「自分を着せ替え人形のようにして遊ぶのはやめてくださいね。」 本気で嫌そうな顔をしてハルヒが言った。 「あぁ!誓おう!!」 こうしてハルヒと環は協定(?)を結んだ。 ホスト部NEWキング決定まで、あと一日。 4→ author : あさみさん
Comment すんごく遅くなりました。三話です。 なんとかここまで話を持ってくることができました(汗)。 次回で終わりです〜。 |
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