ある日雨が降った。





「こんにちは〜」



今日もホスト部の活動時間。

ハルヒは部室へ入っていった。



「娘よ〜朝は大丈夫だったか〜!!?」



環がウザイくらいひっついてきた。



「大丈夫ですから離れてください。」



冷たい一言。



「でも本当に大丈夫かよ?」

「朝もハルヒだけすんごい濡れてたよな〜。」



後ろから双子が声をかけてきた。



「まあ、今日の雨はすごかったからねぇ。」

自然現象には逆らっても仕方がないというふうだ。



「ハルちゃん…言ってくれればお家まで迎えに行ったのにぃ…

女の子なんだから無理はめ〜よっっ!!」

心配してハニーも声をかけてきた。



「先輩…ありがとうございます。

でも、自分で通うと決めた学校です。

ちゃんと自分でこれないようじゃ、社会に出たときにも困るんで…

お気持ちだけもらっておきますね。」



ハルヒが笑顔で返した。



「本当に無理はするなよ?」

以外に鏡夜までもが心配してくれて…

「休まれたら迷惑だからな。借金増やすぞ。(ニコリ)」

はいなかった。ちょっとでも期待した自分がバカだった。



―クシュン!!!―



ハルヒがくしゃみをした。その瞬間みんなの目がハルヒへ向いた。



「娘よだ

「ハルヒ大丈夫か!!?」

「むす

「だから無理すんなって朝から言ってるのに!!」

「む

「ハルちゃん寒い!!?お布団あるよ?かぶる!!?」

「ハル

「寒いようなら暖房つけるぞ。」

「ハ

「あぁ〜!崇お布団もって来てくれたの!!?ありがとう♪」

「(コクリ)」



環は必死で話そうとしたが他の部員達によってさえぎられた。



「ありがとうございます。皆さん。」



「ハルヒ!!」

「ハルちゃん!!」



にこっと笑ったハルヒを見て喜ぶ部員達。

しかし人だかりで環には見えなかった。



「でも、本当に雨ってやだよね〜!」

「何か利点でもあんの??」



双子が文句を言い出した。



「水が無い国じゃ雨は貴重だしそれに…あっ!」



ハルヒが話の途中で声を上げた。



「「「「「あっ!?」」」」」



鏡夜以外の部員も声を上げた。(モリは心の声)



「虹っ」



雨はいつの間にか上がり虹が出ていたのだ。



「本当だ〜。」

「車に乗ってたらあんま気にしないよな〜。」

「キレーだねぇ〜♪」



ふっっと笑ってハルヒは言った。



「自分はこの雨が上がった後の虹が好きなんです。

帰り道を歩きながらふと空を見上げたときに七色に光ってる虹が。」



(ハルヒ可愛い〜!!!!!)

部員のほとんどが心でそう叫んだ。



「そういえば…」



「何だハルヒ!!?」

次こそは一番に!と思っていた環が叫んだ。



ちょっと驚きながらもハルヒは話を続けた。



「虹って七色って言うじゃないですか。

ホスト部も七人だなぁ〜って思って。

一色一色がバラバラであるよりも七色がそろったほうが虹がきれいなように、

もしかしたらホスト部も一人一人よりみんなでいるときのほうが輝いてるのかな…って。」



みんなはそれを聞いて考えた。



一人でいると寂しいけれど

みんなでいると楽しいように

他の人から見ても一人のときよりみんなのときのほうが

自分は輝いて見えるのかな?



もっともっと輝きたい



もっともっと一緒にいたい



もっともっと…みんなと一緒に…



そしてフッとみんなで微笑んだ。



「ハルヒは詩人だな〜♪」



「なっ!!」



ハルヒも自分で言って少し照れたらしい。



「僕たちが虹なら、もう離れられないね〜*

だって虹は七つで一つだもん♪」

ハニーが嬉しそうに言った。



「えぇ…そうですね…。」



ハルヒも微笑んだ。



最初はあれほど嫌だったこのホスト部。



もう自分でも離れられない大切な場所になっている。



   - 終 -
author : あさみさん

Comment
雨がちょうど降ってたので思いつき、その場でいっきに書きました。
前作が長かったので短めにしてみました。初短編です。
これからもどんどん作りたいです♪よければ読んでやってください〜(願)


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