季節 恋愛色。 -1-




ちゃんと解かっていた筈なのに・・・・。

どうして繰り返してしまうのか・・・・・・。







風が冷たくなり、木々は紅くなり、秋の訪れを感じさせる今日この頃。

そんなことも我等関せず、桜蘭高校ホスト部は、この人物を筆頭に絶えることなく活動していた。


室内の暖房器具も活動を始め、校内はいつでも快適・適温。
秋の訪れなど感じさせない所と化していた。


「また、どうぞいらしてね」
「ハイっ///」

世の乙女達が、この最後の一言が無くても毎日来ることは百も承知な部長でも、最後の最後まで気を抜かない王子達。
それが桜蘭高校ホスト部の部員達。



そんな男子(+女子一名)の園に間も無く、一つの闘魂魂が音と共にやって来るなど、誰も知らなかった。






その頃、第三音楽室とは遠くかけ離れたグラウンドでは・・・。

【カッキーン】

不良少女を筆頭に、中学時代野球部だったと見られる男子数人が遊んでいた。

「あ゛ぁ゛!!」

「美鈴、ホームラーン!!」

「イェ〜♪♪」

「つーか飛びすぎ〜」

「いーじゃん!気にすんなよ、浩二っ」



「「「「・・・・・・・・・あ・・・・れ・・・・・・」」」」

「ちょ、銀之助!!ドコまでいってんだよ!!あの球は!!」

一人の脳裏をあることが過ぎった。


「ま、マズイ!!アッチには、第三音が・・・・・・・!!」

「「「マジ?!」」」


「ヤバイ〜!!球、ストップ〜!!」






「せ、先輩・・・・・・」
「どしたハルヒ?」
ハルヒは環の背後の窓を指差して、
「何か飛んできます・・・・」
と言った頃にはもう遅かった。
「は・・・・」


【ガッシャ――――ンッ――――】




「―――――――――――――――――――――――――――――っ!?」

環が振り返ると、さっきまではあった筈の窓硝子が、無残にも割られ床に飛び散っていた。
その硝子の破片達の中に、証拠物体Aの野球ボールが・・・。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「は、ハルヒ!!怪我は無いか!!」
「あ・・・・・特に何も無いですよ・・・・・・・・・・」
「そ・・・・・・・そうか・・・・・・・」




「ホスト部〜っ」

「オーイ、いねえのか?」

「出て来い〜」



地上から声が。


「・・・・」
環が窓辺に寄り、別の窓を開け、下を見てみれば。


「あ、環じゃねーか。お前、ホス部だったかぁ〜」

「元気かぁ〜?あ、可愛い子とか来てる??」

「鏡夜いたりしないよなぁ・・・・・・;」


「・・・・・・銀に・・・・浩二に・・・・悟志まで・・・・・・・何したんだ?」
それはそれは、環のクラスメイト達だった。
「・・・・・・・・・・・・犯人お前等かぁ?!・・・・・・・・」


「「「わ、ワリぃ;」」」

「しっかり弁償しろよ・・・・・;吃驚した・・・・・」

「「「えぇ!?」」」

「割った のは俺等じゃないよ・・・・。あれ、美鈴、着いてないの?」





「み・・・・・・・・・・すず・・・・・・・・・・・・・?」





【バターンッ】

慌しい音が後ろから聞こえる・・・。
ハルヒには良く解からない人だったが、環は良く知っている人だった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ・・・・・・・つ・・・・・かれた・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁっ・・・・・・はぁー・・・・・・・」
全力疾走してきたと思われる。
が、無残に飛び散った硝子を見て腰が抜けた。

環は彼女の姿に絶句した。
・・・・・・何故・・・・・・・・。


「そ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・んなっ・・・・・・・・・・・割れたのかよっ・・・・・・・・・・・・;」
その場に座り込み、とにかく息を切らしている。

落ち着いた所で顔を上げると環と目が合った。

「あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・た・・・・まきっ・・・・・・・・・・・・・・?」

「み・・・・すず・・・・・・・じゃんかよ・・・・・・・・・・・・・・・・・」



「悪りぃ・・・・・・硝子割ったの、アタシ・・・・・・・・・・・・・・」

「は・・・・・・・・・」



「と、とにかく・・・・・・・後日・・・・・・・また来っから・・・・・・・・・・・・今日は帰る・・・・・・・・・・」
と言って、少女は今さっき来た方向に、向きを変え歩いて出て行こうとした。

「え、あ、オイ、美鈴っ!!」
とっさに体が動いた環は、美鈴の左腕を掴んだ。

「・・・・・・っ・・・・・・何よ環・・・・・・」
睨まれた。
「・・・・・・・・・明日・・・・・来いよ・・・・・・・」
少女は顔を伏せたが、自慢の力を使って環の手を振り解き早足で行きながら、言った。

「多分ね」

【がちゃんっ】

そう言って出て行ってしまった。



一部始終をハルヒは目撃していたが結局、何のことだかサッパリ・・・。

ただただ、環の顔は今までに見たことも無い、何とも言えない表情で固まっていた。


無言で環は、どこかに行ってしまった。




硝子の無い窓からの風が暖かい室内に紛れて来る。




冷たい・・・。






「ハルヒ〜、浮かない顔してどしたの?」
「寒っ。ってか窓硝子割れてるし。誰の仕業?殿?」

事件現場で立ち尽くしていたハルヒ。

「え、あ、な、何にも無いよ・・・・。あ、ほんと、寒っ・・・・・・」



「何かあったなんなら言いなよ」
「いつでも力になるからな!」


「・・・・・・・うん。有難う・・・・・・・・」

こういう事はアノ人に訊くのが一番だと良くわかっているから・・・。






「鏡夜先輩、お尋ねしたいことがあるんですが・・・・」
やはりこの人、影でホスト部を仕切っている悪代官こと、鏡夜だ。

「あ、美鈴のことだろう?」

「!? なんで解かるんですか?!」

「お前の顔見れば解かった。あと、アイツの態度で・・・・」
と言い、遠くを眺める。
「環先輩ですか・・・・・・・」


「泉城寺 美鈴、2-Aで不良娘、格闘馬鹿で力には自身有り、父は政治家、母は大手化粧品会社取締役。」

「せんじょうじ・・・・・・・・・みすず・・・・・・さん・・・・・・」

「あと一つ・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・何なんですか・・・・」

ハルヒはとんでもない事を聞く事に。




















「環の元彼女。」



























え?




耳を疑った。






先輩に元彼女・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しかも同じクラス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




はい?




まぁ、ホスト部もやれる程のルックスで彼女が居ないことが不思議だったけど・・・・・・元・・・・・・・・・・・・・・。





今は・・・・・・?


















疑問を胸に秘めたまま、翌日。
ハルヒが部室に行くと同時に、廊下で美鈴と鉢合せ。

「・・・・・」
「・・昨日の子じゃんか・・・・・」

美鈴の方は一応ハルヒのことは、”昨日の子”と言う記憶で覚えていた。

ハルヒの方は出来事が急だったせいで覚えていなかった。


ただ美鈴に見とれるだけ。
容姿からは力が強いだの、格闘馬鹿だのと言っていたこととはかなり不釣合い。
黒く長く伸びた髪が美しく、自分よりも20cm程、背が高い。どっか170辺りと思われる美女。


「・・・・・・あ・・・・、環先輩のも・・・・と・」
あっ!!

「・・・・・・ああ・・・・鏡夜が言ったのか・・・・・・・」

何かを察され気まずい。

「あ・・・・ええ、鏡夜先輩が・・・」
鏡夜先輩ごめんなさい。貴方のせいにさしてください;

「環に昨日来い っわれてたから来たんだけど、居る?」
気にしている筈なんだろうけど、ポーカーフェイスで別の話に。

「あ、自分も今来たばっかりなので・・・」

「あ、そっか・・・・・ごめんね、こんな阿呆で;」

「いいえっ」
自然と二人に笑顔が。

こんな素敵な方と環が付き合っていたなんて未だ信じられない、ハルヒ。
それはきっと、美鈴が環に不釣り合いだからだろう と。









「美鈴」








時が止まった。





美鈴が振り返ると、

そこには

「環・・・」



   - 続 -
author : 衣月円さん

Comment
何か、書きたくなったんです。環君メインの話。しかも女編で(笑)。
って、私ったらゲストキャラ出しすぎですね;
これで・・・・二人目かな・・・・・多分;これからもゲストキャラ出てくる可能性、大;;
・・・・なんか完璧なる二次制作ですねぇ・・・・;元カノなんか居るか解かんないのに;;
皆様の、ホスト部(特に環)イメージ打ち壊していたら本当に済みません<(_ _)>
・・・・・・・・・・・・・・・・・予告ですが、割りと続く気がします・・・・。
私がそれだけ書きたいだけです;;


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