満月の夜に見る夢は


「あ・・・」

ふと視界に入った明るいもの。

満月

そうか、今日は満月か・・

誰だったろう?
自分を月のようだとたとえたのは

いとおしい少女

自分とは違った輝きを持つ
中性を漂わしたその容姿は、いつも少年の姿をしているからだろうか?
きっと少女らしい格好をさせれば可愛らしくなるだろうと、時々想う。

はっきり言って、もったいないと想う。
自分が今までであった人間の中でこれだけ印象に残る少女はきっといない。
それ故に余計に物足りなく感じてしまうのかもしれない。

おかしい、と自分でも思う。
こんな感情なんて自分にはないと思っていた。
女の子は皆、可愛いと想うがそこには恋愛感情など含まれたことはなかった。

だからこそ、いとおしいと想う。

・ ・君は見ているだろうか?
この、美しい満月を
そして、君がよい夢を見ていることを・・
オレは祈ろう
君の笑顔のために

そう、想いながら環は布団に潜った。
いとおしい少女が笑っている姿を目に浮かべながら・・


   - 終 -
author : 切符久遠さん

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