愛しいあなた

笑って欲しい

傍にいて欲しい

愛しいあなた




Crazy about you




外は雨、季節は初夏・梅雨。
雨なんて珍しくも何ともないのに。

「今日も雨か・・・」

どうも憂鬱だ。どうしてだろう。


「殿〜、ぼーっとしてないでよー!」
「環、そろそろお客様が来るぞ」

いつもどおりの会話さえも耳に入らない。


ああ、君がいないからだ。
何処へ行ったんだ、俺を不安にさせないでくれ。





「環先輩」

やっと聞こえた。愛しい声。
止まっていた時計が動き出したような、そんな感覚。

「おお、ハルヒ。遅かったな・・・ってぬれてるじゃないか?!」

「買い出しに行ってきたんですよ。ホラ、外は雨ですし」

「傘はどうした?」

「さしていったんですけどね。風もあるし、やっぱりぬれちゃって」
「あ、でも大丈夫ですよ?心配しないで下さいね」


それでもやっぱり心配だ。

ひとこと言おうかと思ったけど、君にとって迷惑になるだろう。



「「ハールヒー!」」

「お前大丈夫か?」
「だいぶぬれてるぞ?」

「大丈夫だよ、心配しないで。光、馨」

一瞬でも双子のことをうらやましいと思ってしまった。
自分が言ったって彼女はそっけない態度をとるから。


でもいいんだ。

自由な君が好きだから。



「環、御指名だ」
「はいはい」

いつもどおりの会話も、ちゃんと耳に入る。

君さえいれば大丈夫。








「先輩?」

「どうしたんですか、ぼーっとして。そろそろ終わりですよ」

驚いた。
彼女の顔が、大きな瞳が、目の前にあった。
動揺を隠しきれるだろうか。

「あっ、ああ。もうこんな時間か」

「大丈夫ですか?なんか最近変ですよ」

「そっ・・そうか」
声がうわずってしまう。
君の顔さえまともに見れない。

「雨のせいですかね」
言った後にクスっと笑った。その顔が愛しすぎて。



君は知らない

その瞳に見つめられるほどに
俺は狂っていってしまったという事を。


君を愛し続ける事で
君を繋ぎ留めておけるだろうか


愛しいあなた

その瞳が
その声が
その笑顔が

俺を狂わせていくんだ
君に狂ってしまうんだ

愛しいあなた

狂おしいほどに
あなたを愛してしまった


だけど

君は知らない




「ハルヒ」

「はい?」
彼女はなぜか窓を開けて外を見ていた。
雨の音がひどい。

でも、
今しかない。




「好きだよ」




「・・・え?今なんて言ったんですか?雨の音がひどくて・・・」

もう一度・・・いや、やめておこう。
伝わらないのよりも彼女が困るほうがいやだ。



「雨が吹き込むから窓を閉めろ!」



外がひどい雨でよかった。





愛しいあなた

狂おしいほどに愛し続けよう


   - 終 -
author : 綾希早百合さん

Comment
初書きがこんなのですいませんっ!!
ってか、ホスト部全然出てないぢゃん・・・。
一応タマハル。一応環の視点で書いてみました。
ホント・・・ごめんなさい;;


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