このひとときが一番幸せだっていえる。

たぶん、きっと。





幸せであるように





「「ハールヒっっ」」

「ああ、光と馨。どうしたの?」

「どうしたのってお前、そろそろ部活行かないと」
「殿が怒っちゃうよ?」

ハルヒと光・馨が自分達の教室、1-Aで話している。
どうやらハルヒは部活を忘れていたようだ。

「ああ、そっか。じゃあ先行ってて?自分は図書館に用事があるから」

「そう?でもできるだけ早く来いよ」
「そうそう。殿どころか鏡夜先輩まで怒っちゃうからね」

それだけ残して双子は足早に教室を去っていった。


そしてハルヒは図書館へ急いだ。




第3音楽室。
こちらはホスト部。

「ハルヒはまだ来ないのか?!」

「借金をまた増やすか」
環は相変わらず、そして鏡夜は今日も悪代官ぶりを発揮している。

「「ハルヒなら図書館に用事だよ〜」」
双子が声を合わせて答える。
それに反応する最上級生2人。

「ハルちゃん図書館なのぉ〜?何のご本読んでるんだろうねぇー崇ー?」
「・・・そうだな」
ハニー先輩とモリ先輩、このふたりの会話はちゃんと成立しているのだろうか。
・・・・・それは誰にもわからない。


接客時間まであと少し。
痺れを切らした鏡夜が口を開く。

「誰かハルヒを呼んできたらどうだ?」

「じゃあ俺がっ・・・」
「駄目だよ、殿は。ややこしくなるだけだから」
「なっ!光・・・!」

「「僕らが行くよ」」

「ちょっと待てお前らっ!」
「環、お前は行くなよ。接客がたくさんあるからな」
「鏡夜まで・・・」
今にも泣き出しそうなくらい涙目になっている環を後に、双子は図書館へ向かった。







図書館へ着いたふたりはハルヒを探した。
ピカピカ光る机に座り、分厚い本を開いたまま眠っている黒髪の生徒がいた。


ハルヒだ。


「ハルヒ?」
「寝ちゃってるね」
「どうする?」
「起きるまで待つ?」
「そうするか」

ふたりはハルヒの左右に座り、しばらくその可愛らしい寝顔を眺めていた。






僕らは今までずっとふたりきりだったから

これからもふたりで生きていくと思ってたんだ。

それが一番良い生き方だと思っていたよ。


だけど



なんか最近楽しいんだ。


ホスト部に入ってからも、殿をからかうのは楽しかったけど

こんなに楽しいなんて感じなかったよ。

なんだろう、"幸せ"って言うのかな?


君に出逢えてから。



君は僕らにとってはヒカリ。

真っ暗な二人だけの世界から救い出してくれたんだ。


だから、最近幸せ。

もちろん今も。








「しまった、寝ちゃってた!」
ふと目を覚ましたハルヒは慌て出すが、左右に人が座っているのに気付く。

「あれ、光に馨・・・?」

どうやらふたりはハルヒが起きるのを待っているうちに寝てしまったらしい。

無邪気な寝顔。

見ていると微笑んでしまう。








他人になんてあまり関心を持たなかったし

外見とか性別とか全然興味なかった。

今でもそうだけど。

高校に入学してからも楽しいことなんてなかった。



ホスト部に巻き込まれるまでは。


最初は嫌で仕方なかったけど、最近はなんか楽しいとも思う。

これは感情の変化だろうか?


あのふたりには振り回されることが多いけど

一緒にいると楽しいと思う。


ああ、これが"幸せ"っていうのかな。


それなら自分は毎日が幸せだっていえるよ。







「・・・あれ、ハルヒ?」
「・・起きてたの?」
双子が目を覚ました。その途端光が叫んだ。

「あーーーーー!!!!!もう30分も過ぎてるよ!!!」
「うそ?!ハルヒ、部室行くぞ!走れ!」

「え・・・?」
突然のことで戸惑うハルヒ。

「「ほら!」」
双子が差し出した手を取って、ハルヒは立ち上がった。
そして図書館を後にし、第3音楽室へ急いだ。


3人は必死で走っていたけれど、その表情にはなぜか笑顔が溢れていた。



そのとき第3音楽室では鏡夜が3人を待ち構えていたのだが・・・。




それは平和の証拠であって、幸せの一部であるだろう。






だから楽しく生きていこう



明日も幸せであるように。



   - 終 -
author : 綾希早百合さん

Comment
勢いに任せたらこんな駄文に。。。
ただ1-Aトリオが書きたかっただけなんです。
はい。
感想とかもらえたら嬉しいかもです。


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