「そういえば殿。」 はじまりは馨だった。 「今年は文化祭どうするの?」 花の学園祭 前編 「そうだな・・・学園祭か・・・。」 殿ことホスト部の王子、須王環(高2.)は考え込む。 「去年は校内30分デートだったよね〜w崇v」 可愛らしく、ハニーこと埴之塚光邦(高3.)は言う。 そして同じく高3のモリこと銛ノ塚崇はうなずく。 「へーそうだったんだ〜。」 馨の兄、常陸院光(馨も同じく高1.)はそれを聞きながらも、馨と一緒にアイディアを頭のなかで駆け巡らせていた。 「ハルちゃんはなにがしたい〜?」 ハニーが聞いた相手、藤岡ハルヒ(高1.実は女の子)は、「別になにも・・・。」と、淡白に答えた。 「ハルヒ!何故お前はそんなにものごとに淡白なんだ!?学園祭で青春の1ページをつくったり、気持ちの良い汗を流そうとかは思わないのか!?」 環は涙を流しながら、ハルヒに言う。 「先輩、うざったいので離れてください。」 ハルヒに暴言をはかれて、ショックをうける環。 そんな環をみていて、双子はあることを思いついた。 「鏡夜せんぱーい。」 「ん?なんだ?」 ふりむいた人物、鳳鏡夜(高2.)は双子からアイディアを聞いた。 「ほう。けっこういいアイディアじゃないか。他に案がないようだし。今年はそれでいくか。」 ハルヒはなにやら変な予感がして、鏡夜に内容を尋ねてみた。 するとにっこりわらって、 「ハルヒと環にはまだ秘密。」 と、言った。 それにしても、いったい何の出し物なんだろう? 謎はふかまるばかり・・・。 そして迎えた当日! さすがに双子は、前日に、開会式が終わったらすぐにこいと言っていた。 「ごめーん遅れた〜。」 ハルヒが第3音楽室に入ると、なにやらあわただしかった。 部屋はなにやら、モデルを写すような感じになっている。 「おそいぞハルヒ!殿はもう来てるよー!!。」 馨が怒る。 「ごめーん馨・光。で、なにをすればいいの?」 そういうと、純白のなにかを、ハルヒに手渡した。 「とりあえずこれ着といて。更衣室はあっこ。右側だよ。」 光はちいさな部屋を指差した。なるほど。左側はもう入っている。 きっと環だろう。 「あ、うん。わかった・・・。」 本当にいったいなんなんだと言う気持ちと、興味がわいてきた感情。そんな複雑な心境で、ハルヒは部屋に入った。 「オイッ双子っ。」 ハルヒがはいって数分後。環がやっとでてきた。 『なーにー?殿―?』 環は白のタキシードを着ている。そして双子は黒のタキシードを。 「何!?じゃない!いったいこのタキシードはなんだ!?それにハルヒは!?」 うるさくなった環の口を、双子はふさぐ。 『まってまて。もう少しだからねー。』 「もふふほひってひっふぁい!?(もう少しっていったい!?)」 そう環がいったとき、 「光・馨・・・。これでいいの?」 少し顔を赤らめたハルヒが、部屋からでてきた。 光・馨・環は、絶句。 ハルヒの着ていた服は、なんと純白のドレスだったのだ。(しかもどーみてもウウェディング用としか思えないもの。) 「ハルッハルヒッ何故・・・?」 環は言葉に詰まる。顔が真っ赤だ。 「光と馨が着ろって・・・。」 ハルヒも赤くなる。 「う〜ん。何か足りないとおもわないか?光。」 「うん。わかったよ馨。髪とメイクだ!!」 双子はうなずき合う。 「てことでこっちすわって〜ハルヒ。」 ハルヒは言われるままに、すわる。 光と馨は、瞬く間にメイクをし、ズラをかぶせる。 『よしっ。かーんせーv』 鏡をみてみると、とても綺麗な女の子がいた。 環は可愛さのあまり、真っ赤になって口をパクパクさせている。 「さ、いきますか。」 「え・・?どこへ?」 環は光に聞く。 『それはもちろん。中庭でしょ!』 バタバタバタ。 こんな格好で廊下を走ると、さすがに人に注目される。 それだけではない。環が美少女(いつも男だと思われているハルヒは、女装すると男にみえない)と一緒に走っているというのも、含まれているだろう。 「ねえ、どこから行く〜?」 中庭の女子生徒たちが、パンフレットを開きだす。 そのとき、純白の環とハルヒが、目の前をとおりすぎた。 「な!何今の!?環様と美少女!?」 「あれはなんなの!?」 「なんだあれは!?」 次々と注目を浴びていく環たち。 さらなる注目のため、光・馨・環・ハルヒは、大きな朝礼台の上に上る。 「こんにちは。みなさん。」 光の声が、マイクを通して全校に響き渡る。校舎の中の者も、窓から顔をだした。 「今回、ホスト部では、貴女のために、大変嬉しい知らせを持ってきてまいりました。」 女子から歓声がわく。 「今日はホスト部部員と、ウェディングコスプレで、写真が撮れます!」 さっきよりももっと大きい歓声がわいた。 「しかも30着の中から服が選べれ、プリクラサイズのものから(300円)特大ポス ターサイズ(3000円)のものまであります!しかもしかもしかも!!」 全校中の眼が、ハルヒたちにあつまる。 馨はこっそり、ハルヒと環に言った。 「殿、ハルヒを肩に乗せろ。しろ。すると借金2分の1チャラだ。」 「なっ。」 環は真っ赤になる。 「そ、そんなこと・・・。」 (・注 あくまでも小声です。) 「いいですよ。先輩。重いかもしれないですけど、してください。」 上目遣い。しかも女の子の格好のハルヒに言われては、環はひとたまりもない。 ひょい。 環は、ハルヒを肩に乗せた。 観衆は大興奮。鏡夜もにっこり。 しかしハルヒは、許可をしてしてもらってるものの、すこし恥ずかしかった。 環も予想以上に軽いハルヒに、ドキドキしていた。 馨がまた言う。 「もっとハルヒ、ラブラブな感じにくっついて!」 ハルヒは仕方なく、環のあたまに、胸をよせた。 「このように、ポーズを決められたり、密着できるのです!!」 観衆は大歓声。 「さあ貴女も!第3音楽室、ホスト部へ!」 おおきな歓声の中、ハルヒたちは帰っていった。 そのなかで、ハルヒは痛い視線を投げかけられたことに気付いた。 後編→ author : 満桜さん
Comment 念願の、環×ハル!! ないものならばと、自分で書いちゃいました。 途中かいててはずかしくなりましたよ(汗 さて、後半をがんばって書きます。 後半も読んでくださいね〜v |
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